巷には多くの※サインツールが出回っていますね。
※サインツールとは、チャート上で矢印やポップアップや音などでエントリー箇所を示してくれるインジケーターの意
もしかしたらあなたもこれまでに 1 つや 2 つ、あるいは何十個と購入した過去があるかもしれません。
断言しますが、サインツールで勝ち続けられるほど FX の世界は甘くありません。
多くの人が勘違いをしているのですが、「サインツールを手にした=聖杯を手にした」
そう思ってしまうのです。
まぁそれは致し方ない部分もありまして、サインツール販売者の多くが「高勝率」「過去勝率○%」などと興味をそそる文言であなたを誘っているからです。
しかし、そのような数万円程度のツールで本当に勝ち続けられるのであれば、
FXの世界で9割が退場するという事実はあり得ず、逆に1割が退場する世界であってもおかしくないですよね。
サインツールというのは、特定の※インジケーターを用いて「ある条件の時にサインを出
す」だけのものです。
※移動平均線・ボリンジャーバンドをはじめとするトレード補助ツール
相場の状況、流れ、そういったものは関係なく、
簡単に言えば、例えば移動平均線がクロスしたときに矢印が出たり、
RSI とストキャスティクスが○に達したら矢印が出るというだけのものです。
多くのインジケーターが※遅行指標と言われているので、それを幾ら組み合わせたところ
で優秀なエントリーポイントを常に導き出すことは不可能なのです。
※遅行指標=ほとんどのインジケーターが終値ベースで平均化して描画しているため後付けである
「相場は人が動かしているモノであってインジケーターが動かしている訳ではない」
多くの初心者が勘違いをしてしまう部分です。
インジケーターを盲信してしまい、相場を動かしている人のことを考えることが出来ない
ため、当然勝ち続けることが出来ません。
しかしタチが悪いのが、サインツールが全く勝てないかというとそうでもないというとこ
ろでしょうか。
これで多くの人が勘違いをしてしまい、大切なお金を失ってしまいます。
例えば、裁量判断無しでサインに従っても勝率は長期的には20~30%程度に収束すると
しましょう。
しかし、※大数の法則でも唱えられているように、この勝率はあくまで回数を重ねれば重
ねるほど収束するというモノであって、短期的だけ見れば勝率が60%ということもある
のです。
※大数の法則=コインの表裏を当てる確率は 1/2(50%の確率)であり、それは実験の回数を増やせば増やすほどその真の確率に収束するというもの。逆に言えば短期的には 80%や 20%などの偏りが起こりうるというもの。
つまり、サインツールを購入してすぐの数回の取引ではたまたま地合が良くて、
サインが相場と合致して勝率が偏って90%だったとしましょう。
「これは凄い聖杯を手にしたぞ!」と考え、当然そのツールを使い続けますよね。
しかし、最終的に勝率は本来のモノに収束しますので、結果的に勝率が30%になってし
まって、口座の資金が全損するということが起きます。
しかし残念なことに多くの人はそこでこう思うのです。
「今回のサインツールはなぜかあまり勝てなかった。もっと良いサインツールがあるので
はないか?」
これが終わりの無い”聖杯探しの旅”の始まりであり、
サインツールやインジケーター地獄から抜けられずに、
”多くの時間とお金を失うだけ失ってトレーダーとして何も成長できない”
悪夢のノウハウコレクター誕生秘話となるのです。
多くのサインツール販売者は、長期的な勝率の算出とその提示を行いません。
なぜなら、サインツールが優秀では無いということを自ら露呈することになるからです。
相場状況というモノは、その時々で変わり、毎日違う形を形成しています。
相場には一貫性があるとかないとか未だに議論されているものですが、
過去にはリーマンショックやコロナショック、戦争やテロなどが起きて暴落したりが起
こっていますから、そんな状況下でも勝ち続けることが出来るサインツールなど存在しな
いのです。
なので販売者は直近3ヶ月の勝率しか提示しなかったり、バックテストでも都合の悪い年を含めていなかったり、あるいは負けている箇所を「自分の裁量判断を入れてエントリーを回避した箇所」などと言って、サインツールを売るためにあの手この手で謳うのです。
結論、サインツールもインジケーターも、もし使うのであれば、
【あくまでトレード補助ツール】という位置づけにし、大切な相場と己の裁量で向き合い
ながら上手に使う必要があるのです。